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法人での起業に必要な準備や各種届出と各届出期限|愛知県一宮の税理士執筆

愛知県一宮市の税理士の藤野です。

マニュアル的な解説ではなく、法人設立の支援に関わった経験に基づいた、より実用的で効率的な方法をまとめましたので、参考にしてください。

本記事でわかること
  • 「個人事業からの法人成り」「新規法人設立」でのより効率的な法人設立方法
  • 設立前後に必要な届出と提出期限
  • 「個人事業からの法人成り」にはない「新規法人設立」での注意点

1.個人事業からの法人成り

1-1.法人設立前の準備4ステップ

1-1-1.銀行への連絡・相談

法人成りを決めたらまずは取引銀行へ連絡。法人成りした際に、「法人通帳」を速やかに
作成して頂けるかを確認しておいてください。最近では作成されない事例も稀にあります。

ただ1年以上、個人事業として取引をしていれば「法人通帳」は作成して頂けると思います
が、最近は本当に簡単に作成しなくなっているので、取引金融機関とのコミュニケーショ
ンを図ることが重要です。

個人事業の借入がある場合は、借入金を法人へ引継ぎ出来るかの可否を確認する必要があ
ります。銀行の返事により、法人成りの後の計画が変わってきます。

1-1-2.資本金額を決める

今は1円からでも法人設立は確かに出来ますが、1円企業は現実的でありません。

銀行との融資取引が無く、今後も借入する予定が無いのであれば問題無いかもしれません。
ただ、銀行からの借入を予定している場合は事業計画に沿った相応の資本金が望まれます。

1-1-3.商号を決めておく

  • 会社名・・・手続き(司法書士に依頼)に入る前に決めておくとスムーズです。
  • 法人格・・・株式会社・合同会社等。それぞれに特徴があります。

1-1-4.社印を作成しておく

近くのハンコ屋さんでも構いませんし、今であればインターネットで1万円程度でも作成
できます。その際、下記の5種類を用意しておくと、後々、事務手続き等が楽になります。

会社代表印(実印) 法務局に会社設立の際に登録する印です。会社にとって重要な取引や法行為をする際に使用します。不動産売買や登記申請、官公庁への届出書類などに使用されます。
銀行印 金融機関で口座開設する際に登録する印です。通常は実印とは別に銀行用の届出印として使用します。銀行印は事業として利用する機会がかなり多いと思いますので、銀行印を実印と兼用して使用することは紛失した際の万が一に備えるという意味で別々で作成することをおすすめします。
認印 実印・銀行印でない印のことで、実印・銀行印として使用しなくて良い機会の場合に使用する印鑑です。社内での事務作業において多く使用されるものであります。
社判(ゴム版) 会社名、代表者名、住所、電話番号が刻印された長方形のゴム版で、銀行での手続き、関係各所に提出する書類にも使えるシーンが多くあります。ないと、これらの情報を何度も手書きすることになり、時間も体力も削ります。最初から作っておくことをおすすめします。

1-2.法人設立登記

法人登記作業は殆どの場合は司法書士に依頼して進めます。様々な登記に必要な書類も作成して頂けます。

ただ、最近では自ら法務局へ行き、指導して頂きながら作成する方も増えてる印象です。

しかし、業種によっては専門家である司法書士に依頼して進めた方が良い場合もあります。

例えば建設業の方である場合、後々に建設業許可への申請を考えている場合は定款の記載の仕方に注意すべき点があるからです。

法人設立登記の主な流れとしては以下の通りです。

  • 定款作成:事業目や発起人、発行可能株式総数等を決めて定款認証を受けます。
  • 登記書類作成:資本金の払込手続きや登記に必要な書類を作成します。
  • 設立登記:株式会社の場合は基本的に出資が完了したことが確認出来た日から2週間以内となってます。

1-3.各種届出作業

法人登記手続が完了しましたら法務局より登記簿謄本を取り寄せてください。税務署及び各市区町村への提出に必要となります。

必要な届出は以下の通りです。

1-3-1.税務署

  • 法人設立届出書:会社設立後2ヶ月以内(定款添付)
  • 青色申告承認申請書:原則として会社設立後3ヶ月以内
  • 給与支払事務所等の開設届出書:開設の事実から1ヶ月以内
  • 個人事業の廃業届書:廃業の事実から1ヶ月以内
  • その他、必要に応じて以下の書類
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書

1-3-2.県税事務所(都道府県)

法人設立届出:定款・謄本を添付して提出。2ヶ月以内(都道府県により異なる)

1-3-3.市区町村役場

法人設立届出:定款・謄本を添付して提出。2ヶ月以内(都道府県により異なる)

2.新規法人設立の注意点

手続き・流れについては、概ね個人事業からの法人成りと同一です。ただ、少し危惧されるのが銀行です。

法人成りでも述べましたが、最近は新規での「法人通帳」作成がなかなか出来にくい時代になっています。

このような作成しにくい背景としては、振り込め詐欺や海外への不正送金など、犯罪行為に使われない為に銀行が慎重に審査を行っているからです。

口座が犯罪行為に使用されると銀行にとっても信用問題となるので、慎重にならざるを得ないのです。

法人口座作成を断られたり、審査に時間がかかる要因としては一概には言えませんが以下の要素が考えられます。

  • 資本金が少なすぎる。
  • 事業内容がわかりにくい。
  • 登記場所がバーチャルオフィスやシェアオフィス等。

上記の①~③にも留意しつつ、個人として取引のある銀行へ事前に相談へ行くことをお勧めします。

まとめ:法人での起業に必要な準備や各種届出と各届出期限

今は法人の設立も簡便化され、情報も出ているので1人でも行いやすくなっています。

一方で、誤りや忘れてはいけないポイントもあり、ちょっとしたミスがのちの事業に大きく影響することもあるので、慎重かつ過不足なく進めてほしいです。

愛知県や岐阜県で法人設立や起業をお考えであればご相談にのりますので、問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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